ミドリムシの成分表から発見!?知られざる効果
59種類の栄養素、独自成分パラミロン、健康補助食品にも化粧品にもジェット機の燃料にもなる・・・ミドリムシの成分って考えれば考えるほど不思議です。
ミドリムシの成分について考えてみると、ベストコンディションを実感できるかもしれません。また、家族の健康維持に大いに役立つ可能性があることを知ってオススメしたくなる・・・かもしれません。
今回はミドリムシの成分表の解説と、成分の知られざる働きについて紹介します。
この記事を監修した専門家
管理栄養士 阿部友美
【経歴】十文字学園女子大学卒業後、管理栄養士を取得。同大学で研究助手をしたのち、食品メーカーにて健康に関する情報発信や、共同研究先大学に出向し研究に従事。糖化反応によるメラニン産生作用を発見、特許出願。化粧品の開発にも携わる。
目次
・成分表―ミドリムシ59種類の栄養素!
・ミドリムシ成分には知られざる力があるって本当?
・まとめ
1.成分表―ミドリムシ59種類の栄養素!
成分表を元にミドリムシの59種類の栄養素について紹介します。
そして、私たち現代の日本人にとって、栄養をバランスよく摂取することの重要性についても一緒に解説します。
主要成分 | 成分内訳 |
ビタミン類 | α-カロテン、β-カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK1、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸 |
ミネラル | 亜鉛、リン、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガン、銅 |
アミノ酸 | バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン、グリシン、セリン、シスチン |
不飽和脂肪酸 | DHA、EPA、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモγ‐リノレン酸、アラキドン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸 |
その他 | パラミロン(β-グルカン)、GABA、クロロフィル、ルテイン、ゼアキサンチン、スペルミジン、プトレッシン |
59種類もの栄養素を一覧で見ると、あの小さな体の一体どこにこれだけの栄養が詰まっているの?って不思議になりますよね?
これだけの栄養素を豊富に、そしてバランスよく備えているのがミドリムシのすごいところです。
特に、地球上でミドリムシにしか含まれていない成分パラミロンは、食物繊維のような働きをしながら健康をサポートしてくれる、とても頼もしい栄養素です。
すべてのミドリムシが同じ成分でできているわけではない!
59種類の栄養素が含まれているのは、食品用としてユーグレナ社が培養しているミドリムシです。同じミドリムシでも100種類以上の仲間がいて、サプリメントや化粧品などに使われるのはスーパー栄養成分「ユーグレナグラシリス」という種類です。
理科の実験で田んぼや池の水をすくってミドリムシを顕微鏡で見たことがあると思いますが、そういった「普通の」ミドリムシには、サプリや食品で使われるミドリムシのように豊富でバランスの良い栄養素が含まれているわけではないんです!
さらに、ミドリムシの59種類の栄養素のバランスは栽培環境などによっても左右されます。
ビタミンやミネラル、アミノ酸などが最適のバランスになるように、ユーグレナ社では独自の技術によってミドリムシを培養しているそうですよ。
サプリメントや健康補助食品は商品の成分表にも注目!
ミドリムシに含まれている栄養成分が分かったら、サプリや食品の成分表にも注目したいですね。
ミドリムシの良さを実感したい方は、まずは含有量をチェック!
同じように見えるサプリメントでも1粒あたりに含まれるミドリムシの含有量は異なります。せっかくなら、ミドリムシのたっぷり入ったサプリや食品を選んで、体感を得たいですよね。
次に、ミドリムシ以外の成分も注目しましょう。特にサプリメントの場合、ミドリムシの効果が最大限に発揮されるように、ミドリムシの栄養素と相性の良い成分が配合されていることが多いです。
例えば、パラミロンと相性の良い乳酸菌、ビタミンやアミノ酸などの美容のための成分と相性の良いコエンザイムQ10などです。より高め合う成分が入ったものを選ぶのがおすすめです。
バイオ燃料には脂成分たっぷりのミドリムシ!
「ミドリムシでジェット機を飛ばす」という計画を聞いたことはありますか?ほかにミドリムシを原料として、自動車やバスの燃料に活用する研究もおこなわれています。
これらに使用されるミドリムシは、ご近所の「普通」のミドリムシとは違って、健康食品に使用される種類と同じ「ユーグレナグラシリスZ株」です。種類は同じですが、全く同じもの、というわけではありません。
燃料に使われるミドリムシに必要な成分は「脂」です。
脂は、パラミロンを分解することでできるワックスエステルという成分から作られるので、燃料に使用されるミドリムシはこの脂の割合が高い、ちょっとメタボなミドリムシで、食品用のものとは別に培養されます。「ミドリムシ界の大相撲部屋」といったイメージでしょうか。
構想発表後も、ユーグレナ社によってミドリムシの成分の改良は続けられ、2016年には野生のミドリムシより40%多く含むミドリムシの培養に成功しています。
油脂の成分がさらに多いということは、それだけ効率よくエネルギーに活用されるので、ミドリムシ燃料の大量生産につながる可能性があるということです。また、少ない原料・短い時間で油を生成できることから、現在のミドリムシ原料の最大の課題となっているコストの削減につながるかもしれません。
人の体だけではなく地球をも健康にしてくれるミドリムシの活躍に期待したいですね。
2.ミドリムシ成分には知られざる力があるって本当?
豊富な栄養素をバランスよく含んでいるだけでも、ミドリムシには奇跡的な力が感じられますが、ミドリムシの成分が快適な生活のサポートに役立っていることをご存知でしょうか?
日々、ミドリムシ成分の研究は続けられていますので、ぜひ、研究成果にも注目してください。
ミドリムシの色素成分に期待!
「ジアトキサンチン」は、ミドリムシなどの微生物の色素として多く含まれている成分です。黄緑色をしていて、ミドリムシの光合成に欠かせない成分です。ジアトキサンチンの継続摂取に関して、ユーグレナ社と京都大学の菅原達也教授は共同発表しています。
独自成分パラミロンの含有率を高めた「ユーグレナグラシリスEX55」
冷静に考えてみれば髪の毛の断面よりも小さなミドリムシの体の中にしか存在しない成分があるなんてすごいことですよね。
その独自成分こそが、パラミロンという食物繊維に似た働きをする成分で、健康へのアプローチと、独自の働きが少しずつ知られるようになっています。
マウスやラットにパラミロンを加えた餌を与えた実験も行われています。ユーグレナ社はこのようなパラミロンの効果をより強く発揮できる「ユーグレナグラシリスEX55」という原料の開発にも成功しています。(2017年8月21日 日本経済新聞Web版で紹介されています。)
通常のミドリムシ粉末のパラミロン含有率が20%程度であるのに対して、ユーグレナグラシリスEX55のパラミロン含有率は55%以上。
「白のミドリムシ」ともいわれます。
3.まとめ
「なんとなく体に良いもの」としてミドリムシを摂取し続けるのもいいですが、なんとなくでは、損した気分になりませんか?
ミドリムシの可能性を知っていたら、どうでしょう?
夫にも強く勧めたのに・・・
子どもにも少し確かめてみたかった・・・
後々そんな思いを抱かれるかもしれません。
今回の記事では、ミドリムシの基本の成分の紹介に加えて、最近の研究の結果によって明らかになり、ようやく実現した高配合のパラミロンについても紹介しています。
今後、ユーグレナ社の研究結果を見逃さないようにするには、定期的にユーグレナ社のホームページを確認するのが確実です。近い将来、アッと驚く新たな発見があるかもしれませんよ。